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適正原価検討会で軽貨物の運賃下限の目安はどうなる?第4回の内容と受託側の確認点

国交省の適正原価検討会・第4回(2026年10月19日)で軽貨物は貸切の小型車ベースに。金額は未公表。受託側が今確認したい点を整理。

執筆・査読: 軽配送Labo 編集部(株式会社ファンリミット) /

一次ソースを確認して執筆し、査読のうえ公開しています。現場コメントは実際に軽配送に携わる運営メンバーが書いています。 記事の作り方

結論:第4回で決まったのは「軽貨物は貸切の小型車をベースに示す」まで。運賃の金額は出ていない

2026年10月19日の第4回会合で示されたのは、適正原価を設定する事業種別の区分の方針です。報道によると、軽貨物運送事業は「貸切の小型車をベースに示す」こととされました。一方で、軽貨物の具体的な金額や、運賃の下限として使える数字は、現時点で確認できる資料には出ていません。

もうひとつ押さえたいのは、適正原価は「運賃の下限額」そのものではない点です。検討会に出席した荷主団体からも、安全運行を担保する適正原価と、利潤を上乗せした運賃を明確に区別してほしいという声が多く出たと報じられています。つまり、適正原価は運賃交渉の土台になる原価で、実際の運賃はそこに利潤などが乗る、という整理で議論が進んでいます。

最終取りまとめは12月に予定されています。それまでは、数字を前提にした契約や値上げ交渉の計画を立てず、方針を知っておく段階と考えるのが安全です。

この記事で分かること

  • 適正原価検討会とは何か、なぜ開かれているのか
  • 第4回(10月19日開催)で出た軽貨物に関する方針
  • 荷主側が求めた論点と、受託側(ドライバー)への影響の見方
  • 今の時点で受託側が確認しておきたいこと
  • 今後のスケジュールと、まだ分かっていないこと

適正原価検討会とは何か

国土交通省によると、令和7年6月に成立・公布された「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(令和7年法律第60号)」により、トラック運送事業者が自ら貨物を運ぶとき、または他のトラック運送事業者等に運送を委託するときは、国土交通大臣が定める「適正原価」を継続して下回らないようにすることとされました。この規定は、公布から3年以内に施行されます。

この「適正原価」を具体的にどう設定するかを議論するのが、国土交通省・経済産業省・農林水産省などの行政機関、学識経験者、関係団体で構成される「適正原価の設定に向けた有識者検討会」です。開催状況は次のとおりです。

回開催日
第1回2026年7月17日
第2回2026年8月26日
第3回2026年10月1日
第4回2026年10月19日

第4回の内容:軽貨物はどう扱われたか

カーゴニュースの報道によると、第4回では事業種別の区分について次の方針が固まりました。

  • 一般貨物自動車運送事業は「貸切」に加えて「特別積み合せ(特積み)」を別途設定する
  • 特定貨物運送事業は貸切の適正原価を適用する
  • 「軽貨物運送事業」は貸切の小型車をベースに示す

また、軽貨物に関しては、国交省が全国軽貨物協会、全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会、日本郵便から意見を聴取したと報じられています。ヒアリングの対象に軽貨物の団体が入っているので、軽貨物を含めて区分を検討している、という流れは読み取れます。

ただし、「貸切の小型車をベースに示す」が、具体的にどの計算方法で、どの水準の数字になるのかは、報道からは分かりません。軽貨物の適正原価が実際にいくらになるのかは、12月の最終取りまとめ、またはその前の中間提示を待つ必要があります。

荷主団体が求めたこと

荷主団体を対象にしたヒアリングでは、大勢が物流の持続性確保の観点から適正原価の導入に賛同したと報じられています。そのうえで、次のような要望が出ました。

  • 制度が法的拘束力を持つため、配慮義務違反とならない要件を明確にしてほしい
  • 安全運行を担保する適正原価と、利潤を上乗せした運賃を明確に区別してほしい
  • 適正原価の算定根拠を理解・検証できる制度にしてほしい
  • 業界ごとに異なる物流特性を踏まえた、柔軟な制度設計にしてほしい
  • 運賃が上がった分が、ドライバーの賃金引き上げに反映されることを確認する仕組みがほしい

最後の点について、事務局は、ドライバーの賃金が該当地域の全産業平均賃金を参照して適正な水準になっているかを、事業者が提出する事業報告書の人件費明細表で確認する考えを示したとされています。

受託側にとっての意味:元請が適正原価を下回ると、どうなるのか

報道によると、荷主や元請が、適正原価を下回る水準で事業者が運賃・料金を継続的に受け取る状況を生じさせた場合、トラック・物流Gメンの是正対象になると規定されています。第4回では、この扱いについて次の考えが示されました。

  • 適正原価を下回らないように運賃・料金を受け取る義務を負うのはトラック事業者である
  • そのため、事業者が荷主などに書面などで運賃・料金の協議を申し入れていない場合、荷主などは是正指導の対象とならない
  • 元請の場合は貨物自動車運送事業法違反となるため、是正指導にとどまらず、事業停止などの行政処分の対象となり得る

ここから読み取れるのは、運賃に不満があっても黙っていると、制度上は守られにくい可能性がある、という点です。協議を申し入れた記録(書面やメール)が残っているかどうかが、後で意味を持つ考え方です。

受託側が今できる準備

- 運賃や条件の協議を申し入れるときは、口頭だけで済ませず、メールや書面で残す - 自分の1日・1か月あたりの原価(車両費、燃料費、保険、償却など)を把握しておく - 契約書の運賃・料金の改定条項がどうなっているか確認する

軽貨物業界ではどうなのか

軽貨物の個人事業主は、元請の配送会社やプラットフォームから業務委託を受けて走る形が中心です。そのため、運賃を自分で決める場面は少なく、元請側の単価設定に左右されるケースが多くなります。適正原価の制度が実際に動き出すと、その単価の根拠が問われやすくなる、という見方があります。

ただし、軽貨物が制度の対象にどこまで含まれ、どの契約形態に適用されるのかは、法律の条文や今後の運用ルールを確認する必要があります。報道では軽貨物の区分が示されたと伝えられていますが、個々の契約にどう影響するかは、現時点で断定できません。

具体例:原価を自分で計算しておくときの考え方

適正原価の数字が出る前でも、自分の原価を把握しておくと、交渉の材料になります。たとえば次のような項目を、月単位で書き出してみます。

  1. 車両関連:リース料またはローン返済、車検・点検費用、タイヤやオイル等の消耗品
  2. 燃料:月の走行距離と燃費から見積もる
  3. 保険:任意保険、貨物保険など
  4. その他:駐車場代、通信費、事務用品
  5. 稼働時間:実際に拘束されている時間(待機や積み込み含む)

これらを稼働日数や配達件数で割ると、1日あたり・1件あたりの原価の目安が見えてきます。数字は人によって大きく違うので、他人の相場ではなく自分の実績で出すのがポイントです。収入の考え方は軽配送ドライバーの収入はどう決まるかも参考になります。

よくある質問

Q. 適正原価が決まれば、軽貨物の運賃は必ず上がりますか?

そうとは言い切れません。適正原価は、事業者が継続して下回ってはいけない原価の水準で、運賃そのものを自動的に引き上げる制度ではありません。実際の運賃は契約や交渉で決まるため、影響の出方は契約形態や元請によって変わるはずです。

Q. いつから始まりますか?

国交省によると、適正原価の規定は法律の公布(令和7年6月)から3年以内に施行されるとされています。具体的な施行日は、今回確認できた資料からは分かりません。

Q. 今の契約の運賃をすぐ見直すべきですか?

金額が出ていない段階で動くより、まず自分の原価と契約内容を確認しておく方が現実的です。単価の話を切り出すタイミングは軽貨物の単価交渉で失敗しないための3つのタイミングと注意点にまとめています。

注意点

⚠ 数字が出るまで、報道の見出しだけで判断しない

今回の内容は、カーゴニュースの報道と国交省の公開ページをもとにしています。配布資料の本文(資料6「適正原価の設定に向けた個別論点の検討②」など)は、本記事の執筆時点で読み込めていません。軽貨物の扱いの詳細は、国交省のページで公開されている資料で確認してください。議事概要は後日公表予定とされています。

  • 「貸切の小型車をベースに示す」は、軽貨物の運賃の下限額が決まったという意味ではありません
  • 12月の最終取りまとめより前に、次回の検討会で中間的に大枠が示される予定です。内容が変わる可能性があります
  • 契約の見直しや交渉は、制度の運用ルールが固まってから、実際の契約書に沿って判断してください

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まとめ

  • 第4回では、軽貨物運送事業は貸切の小型車をベースに示す方針が出たが、金額はまだ出ていない
  • 適正原価は運賃の下限額ではなく、運賃交渉の土台になる原価という位置づけで議論されている
  • 12月の最終取りまとめまでは、自分の原価と契約内容を確認し、協議の記録を残す準備をしておくのが現実的