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配送会社・案件比較

業務委託契約書でチェックすべき項目

業務委託契約書を結ぶ前にチェックすべき記載事項を、報酬・契約期間・損害賠償・フリーランス新法の明示義務まで整理しました。

業務委託契約書を確認する前に知っておきたいこと

軽貨物ドライバーとして配送会社と契約する際、多くの場合は雇用契約ではなく業務委託契約を結びます。業務委託契約書は法律上の作成義務があるわけではありませんが、業務の内容や報酬の条件を書面で確認しないまま仕事を始めると、後になって「聞いていた話と違う」というトラブルにつながりやすくなります。

個人事業主として業務委託契約を結ぶ場合、国民健康保険や国民年金といった社会保険、確定申告なども自分で加入・手続きをする必要があります。会社員時代のように会社側が手続きを代行してくれるわけではないため、この点を理解したうえで契約書の中身を見ていくことが出発点になります。

以下では、契約書にサインする前にチェックしておきたい項目を、業務内容・報酬、契約期間・解除条件、損害賠償・秘密保持・再委託、そして法律で明示が義務付けられている事項の順に整理します。

業務内容と報酬に関するチェックポイント

契約書に記載しておくべき基本項目としては、契約の目的、業務の内容、報酬の金額と支払い方法、支払期日、納品先・役務提供場所、契約期間、契約解除に関する条件、著作権の帰属先、秘密保持条項、紛争解決の手段などが挙げられます。これらの項目が曖昧なまま契約すると、追加業務が発生した際の報酬の扱いなどでトラブルが起きやすくなります。

軽貨物の現場でとくに確認しておきたいのが報酬の支払いタイミングです。翌々月払いになっているケースや、報酬額が消費税込みの表記になっているケースもあるため、実際の手取り額と入金時期を具体的な数字で確認しておく必要があります。また、報酬の前貸し(立て替え払い)を受ける際に利子が発生している場合、貸金業法違反にあたる可能性があるとされているため、前貸しの条件がある業者では特に注意して確認したいポイントです。

確認のコツ

「月額◯円」「案件1件あたり◯円」といった支払い単位、消費税の内税・外税の別、振込手数料の負担者まで、口頭ではなく契約書の文言で確認しておくと、後の認識違いを防ぎやすくなります。

契約期間・解除条件のチェックポイント

契約期間をどのくらいの単位で結ぶか、期間の途中で契約を解除する場合の条件はどうなっているかも重要な確認事項です。業務の途中で解約できる任意解約についても契約書で取り決めておくべき事項とされており、フリーランス新法では、6ヶ月以上継続する業務委託契約を解除する場合や更新しない場合、発注者は少なくとも30日前までに書面・ファクシミリ・電子メール等の方法で予告することが義務付けられています。

軽貨物の実務コラムでは、契約解除の際の事前通告期間と解約金についてもよく確認するよう指摘されています。2〜3ヶ月前の通知が必要とされていたり、解約金が設定されていたりする契約は、乗り換えや廃業を考えたときの自由度が下がる要因になるため、事前通告期間の長さと解約金の有無・金額は特に注意して見ておきたい項目です。

損害賠償・秘密保持・再委託のチェックポイント

損害賠償に関する条項では、賠償の上限が設定されているか、その範囲が合理的かどうかを確認しておくことが重要とされています。故意や重大な過失がない場合にまで過大な賠償責任を負う内容になっていないか、契約書の文言を具体的に確認しておきましょう。

再委託(自分が受けた業務をさらに別の人に依頼すること)についても、契約書に明記されているかを確認しておきたい項目です。再委託が認められている契約であっても、委託側の事前承認が必要とされているケースが多いため、案件が忙しいときに応援ドライバーへ仕事を回せるかどうかは契約書の記載次第で変わります。

また、取引先の資本金や取引内容によっては下請法の対象になる場合があります。下請法は親事業者と下請事業者の間の取引条件の公正さを確保するための法律で、対象取引にあたる場合は取引条件の未交付や一方的な報酬減額などが規制の対象になります。自分の契約がどちらの法律の枠組みに当てはまるか、契約書や発注書の内容と照らし合わせておくと安心です。

フリーランス新法で明示が義務付けられている項目

フリーランスとして業務委託を受ける場合、発注者は業務委託をした際に直ちに書面等で取引条件を明示することが法律上の義務とされています(フリーランス新法3条1項)。明示すべき事項として整理されているのは次の8項目です。

  1. 発注者・受注者の名称
  2. 業務委託をした日
  3. 給付・役務の内容
  4. 給付・役務提供の期日
  5. 給付・役務提供の場所
  6. 報酬額及び支払期日
  7. (検査をする場合は)検査完了日
  8. (現金以外の方法で支払う場合)支払方法

この通知は紙の契約書でなくても、メールやチャット、SMSなど電磁的な方法で受け取ることも認められています。逆に言えば、これらの項目がメールやチャットのやり取りにすら記載されていない場合は、法律上求められている明示が行われていない可能性があるということです。契約書を受け取った際は、この8項目が形式を問わずどこかに明示されているかを一つずつ確認してみるとよいでしょう。

こんな契約は要注意

契約書の提示なくサインだけを促す、内容の説明を後回しにされる、報酬や業務内容が「追って連絡」のまま契約が進む、といった対応をする業者は、上記の明示義務が十分に果たされていない可能性があります。疑問点はサインする前に書面やメールで確認し、記録を残しておきましょう。

軽貨物特有の確認ポイント

一般的な業務委託契約のチェック項目に加えて、軽貨物の仕事ならではの確認ポイントもあります。

  • 車両の販売・リース契約が契約とセットになっており、契約段階で債務(支払い義務)が発生するパターンがあります。持ち込み車両であれば発生しない場合もあるため、車両にかかる費用の有無と条件は個別に確認しましょう
  • 解約違約金や事前保証金など、仕事を始める前にまとまった金額の支払いを求められる契約には注意が必要です
  • 同じ軽貨物ドライバーとして他社の仕事も受けられるか(専属契約になっていないか)は、収入の柱を複数持ちたい場合に特に重要な確認事項です。専属契約になっている場合、他社と契約できないため収入源が一本化されるリスクがあります
  • 仕事がない月でも発生する月会費のような固定費がないかも見落としがちなポイントです

複数の配送会社を比較検討している場合は、配送会社と契約する前に確認しておきたい条件のポイントもあわせて確認しておくと、契約書の各項目をより具体的にチェックしやすくなります。

この先の一歩

契約書のチェックは、開業後のお金の流れを把握する作業ともつながっています。社会保険や確定申告など、契約書には書かれていないけれど個人事業主として自分で管理する必要がある費用については、個人事業主として軽配送を始める前に知っておきたいお金の話で扱っています。

また、委託先を1社に絞るか複数に分けるかによって、専属契約の可否や再委託の自由度が持つ意味も変わってきます。契約書を比較する際は、委託先を複数に分けるメリット・デメリットもあわせて参考にしてみてください。

契約書は一度サインすると内容を覆すのが難しい書類です。分からない項目をそのままにせず、担当者に質問して回答を記録に残す、必要であれば行政書士や弁護士に相談するといった手順を踏んでから契約に進むことをおすすめします。

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