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貨物軽自動車の安全管理の記録見本帳|何をどの様式で残せばよいか

安全管理で残す業務記録・点呼記録・事故記録などの項目、担当、保存期間、記入例を表にした見本帳。黒ナンバーの個人事業主や複数台の事業者向け。

執筆・査読: 軽配送Labo 編集部(株式会社ファンリミット)

一次ソースを確認して執筆し、査読のうえ公開しています。現場コメントは実際に軽配送に携わる運営メンバーが書いています。 記事の作り方

結論:残す記録は4種類、保存期間は1年と3年に分かれる

貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)で日々の運行に関わって残す記録は、国土交通省のリーフレットでは大きく「業務の記録」「点呼の記録」「運転者への指導・監督の記録」「事故の記録」の4つです。保存期間は、業務の記録と点呼の記録が1年間、指導・監督の記録と事故の記録が3年間です。

この4つを、項目・担当・保存期間・記入例の形で1枚の表に落とすと、手元の運用がかなり決めやすくなります。様式そのものは国交省が様式例を公開しているので、ゼロから作る必要はありません。

この記事で分かること

  • 国交省が示している記録の種類と、それぞれの保存期間
  • 業務記録・点呼記録・事故記録に書く項目と、記入例
  • 1人で走る個人事業主と、複数台を持つ事業者での担当の分け方
  • アプリやシステムでできることと、法令で求められることの違い
  • 事故の記録と、国土交通大臣への事故報告の違い

軽配送の現場ではどう位置づけられるか

国土交通省のリーフレットによると、令和6年に法令が改正され、令和7年(2025年)4月から安全対策が強化されています。すでに施行から1年以上経っており、これから準備する話ではなく、今の運用を点検する段階です。

国交省のリーフレットには、事業者は「一人で事業を行っている場合でも、自ら安全対策を実施する必要がある」と明記されています。つまり、黒ナンバー1台の個人事業主も記録の対象です。「1人だから省略できる」という扱いにはなっていません。

制度の全体像や安全管理者の選任については、貨物軽自動車運送事業 安全管理者の選任義務化で詳しく扱っています。この記事は、その中の「記録」だけを実務向けに掘り下げた見本帳です。

制度の確認:国交省が示している記録と保存期間

国交省の制度改正ページには、業務の記録の様式例、事故記録の様式例、点呼記録簿の例、日常点検表の例がまとめて掲載されています。リーフレットの記載をもとに、記録ごとの保存期間を整理します。

記録保存期間国交省のリーフレットでの位置づけ
業務の記録1年間今回新たに加わった項目
点呼の記録(点呼記録簿)1年間引き続き実施が必要な安全対策
運転者への指導・監督の記録3年間引き続き実施が必要な安全対策
事故の記録3年間今回新たに加わった項目

このほかに、死傷者を生じた事故などは、30日以内に所定の様式で運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告する仕組みがあります。2人以上の死者を生じた事故などは、24時間以内にできるだけ速やかに運輸支局等へ速報する扱いです。これは「記録」というより「報告」なので、保存期間の表とは別に覚えておくと整理しやすくなります。

記録見本帳:項目・担当・記入例

ここからが本題です。国交省のリーフレットに載っている項目を、記録ごとに表にしました。様式例は国交省が公開しているので、迷う場合は様式例をそのまま使うのが無難です。

業務の記録(保存1年)

リーフレットが「主に以下の項目等」として示している6項目です。

項目記入例
運転者等の氏名山田 太郎
車両番号(ナンバープレート等)品川 480 あ 1234
業務の開始、終了及び休憩の日時開始 8:30/休憩 12:00〜12:45/終了 18:10
業務の開始、終了及び休憩の地点開始 自宅車庫/休憩 D公園駐車場/終了 自宅車庫
業務に従事した距離89km
主な経過地点A営業所、B地区、C地区

リーフレットの文言は「主に以下の項目等」なので、この6項目は主なもので、ほかの項目が加わる場合もあります。様式は、国交省の制度改正ページにある業務記録の様式例を開いて、項目を照らし合わせてください。

点呼の記録(保存1年)

項目内容記入例
酒気帯びの有無アルコール検知器と目視で確認検知器0.00、異常なし
疾病・疲労・睡眠不足その他、安全な運転ができないおそれの有無体温や血圧、顔色、呼気の臭い、声の調子の情報で確認体温36.4度、顔色・声の調子とも異常なし
日常点検の実施走行距離や状態から適切な時期に目視タイヤ・ライト・エンジンルーム確認済み
道路・運行の状況気になる点の有無雨天のため車間を長めにとる

リーフレットでは、1人で事業を行う場合は自ら確認するよう示されています。同居する家族がいれば、自分の体調を客観的に見てもらうことも有効とされています。

運転者への指導・監督の記録(保存3年)

毎年の指導・監督について、実施した日時と場所、実施内容、実施した人と受けた人の3点を記録し、3年間保存します。複数の運転者を抱える事業者は、ドライバーごとに1枚ずつ残すと後から探しやすくなります。1人で事業を行う場合は、指導監督マニュアルを理解するなど、自ら必要な知識を習得する形になります。

事故の記録(保存3年)

リーフレットが「主に以下の項目等」として示している6項目です。

項目記入例
乗務員等の氏名山田 太郎
事故の発生日時2026年10月6日 15:20
事故の発生場所○○市△△町の交差点
事故の概要右折待ちで停止中に後方から追突された。荷物の破損なし
事故の原因後続車の前方不注意
再発防止対策右折待ちの停止位置を見直す

事故が小さくても、概要・原因・再発防止対策を書き残しておくと、同じ状況の再発を防ぐ材料になります。

なお、死傷者を生じた事故などで国土交通大臣へ報告する場合は、記録とは別に所定の様式を使います。リーフレットでは、報告の項目として自動車の使用者の氏名又は名称、事故の発生日時、発生場所、当時の状況、当時の処置、事故の原因、再発防止対策の7つが示されています。記録の6項目とは内容が異なる点に注意してください。

誰が書き、誰が保管するか

担当の分け方は、事業の形で変わります。

  • 1人で走る個人事業主:運転者も点呼の実施者も自分です。業務記録の記入、点呼の確認と記録、事故記録の作成、保管まで自分で行います
  • 2〜10台規模の事業者:業務記録は運転者が当日中に記入し、点呼記録と保管は安全管理者または運行管理を担当する人が確認する形が考えられます
  • 保管場所:リーフレットでは、記録・保存はパソコンやスマートフォンで実施可能とされています。検索しやすさとバックアップのしやすさで選ぶ方法があります

選任した安全管理者の選任・届出や、講習を受ける流れについては、軽貨物の安全管理者講習の受け方にまとめています。

法的義務とアプリの機能は分けて考える

記録をスマホアプリやシステムで残す事業者は増えています。例えば、ヤマト運輸の「e-TranSpot」は、同社のニュースリリースによれば、2026年10月1日に機能が拡充され、運行日報(業務の記録)の自動作成やアルコールチェックを含む点呼記録などに加えて、法令で定められた13事項の主な安全対策を支援する機能が整ったと説明されています。

ここで区別しておきたいのは次の点です。

  • 法令が求めているのは、必要な項目を記録して決められた期間保存すること
  • アプリが提供するのは、その記録をつくる手間を減らす機能
  • アプリを使っていること自体は、法令上の要件ではありません

アプリの機能が法令の項目を網羅しているかどうかは、サービスごとに異なります。導入前に、国交省の様式例の項目と突き合わせて確認してください。アプリで記録できるからといって、そのまま法令を満たすと考えず、保存期間内にデータを取り出せる状態かどうかまで確認すると安心です。

よくある質問

Q. 記録はスマホやパソコンでも残せますか。

国交省のリーフレットには、各種の記録・保存はパソコンやスマートフォンでも実施可能と書かれています。どの方法でも、保存期間のあいだ見返せる状態にしておくことが前提です。

Q. 様式は国交省のものを使わないといけませんか。

様式例として公開されているものを使うのが確実です。独自様式を使う場合は、必要な項目が抜けていないか、様式例と照らして確認する方法があります。

Q. 1人で走っていても、点呼の記録は必要ですか。

リーフレットには、1人で事業を行っている場合でも自ら確認を行うよう示されています。記録も同様に残す形が基本です。

注意点

⚠ 事故の記録と事故報告は別の手続き

事故の記録(保存3年)は事業者が自ら作成して保存するものです。死傷者を生じた事故などは、これとは別に30日以内に所定の様式で運輸支局等を通じて国土交通大臣へ報告する必要があります。記録を書いたことで報告が済んだ、とは考えないでください。

あわせて、次の点も確認しておくと失敗しにくくなります。

  • 記録の項目は、国交省の様式例と最新の制度改正ページで確認する
  • クラウドなど外部サービスに記録を置く場合は、解約や契約変更の前に、保存期間内の記録を手元に書き出せるか確認しておく

現場から

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まとめ

  • 残す記録は、業務の記録・点呼の記録(各1年)、指導・監督の記録・事故の記録(各3年)の4種類
  • 項目は国交省の様式例が基準になり、1人で走る場合も自分で実施して記録する
  • アプリは記録の手間を減らす道具であり、法令の要件とは別。導入時は様式例の項目と照合する
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