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軽配送×AI

配車・ルート最適化にAIツールをどう使うか

配車・ルート最適化にAIツールをどう使うか、ナビの到着予測・ルート最適化アプリ・配車マッチングAIの使い分けと注意点を整理しました。

配車・ルート最適化でAIツールが役に立つ場面

軽配送の売上は「1日に何件さばけるか」で決まる部分が大きいです。同じ稼働時間でも、ルートの組み方や配車の受け方次第で件数に差が出ます。ここ数年で、地図アプリや配車マッチングアプリの中に、渋滞予測や複数拠点の巡回順序を自動で計算してくれる機能が組み込まれるようになりました。使いこなせれば、経験の浅いドライバーでもベテランに近い効率で走れる場面が増えてきています。

AIという言葉が先行しがちですが、実際にドライバーが触れるのは「渋滞や道路状況を学習して到着時刻を予測するナビ」「複数の配達先を効率よく回る順番を計算するルート最適化アプリ」「案件と空き時間をマッチングする配車アプリ」の3系統が中心です。それぞれ得意分野が違うので、使い分けの考え方を整理します。

ルート最適化アプリでできること

多拠点配送を担当する場合、配達先を10件以上まとめて入力すると、走行距離や所要時間が短くなる順番を自動で並べ替えてくれるアプリがあります。手動でルートを組む場合、地図を見ながら経験と勘で順序を決めることが多いですが、こうしたツールは過去の交通データを踏まえて計算するため、初めて回るエリアでも一定の精度が出やすいです。

代表的な使い方は以下の通りです。

  • 配達先の住所を一括インポートし、出発地・終了地点を設定して最適順を計算する
  • 時間指定のある荷物には「到着希望時間帯」を入力し、それを制約条件に組み込んで計算させる
  • 渋滞情報をリアルタイムで反映し、走行中にルートを再計算させる

無料で使える範囲は件数や機能に制限があるケースが多く、案件数が増えてきたタイミングで有料プランを検討する事業者もいます。

配車マッチング系のAI活用

案件を受注する段階でも、AIによるマッチング機能を使う場面が増えています。空き時間や希望エリアを登録しておくと、条件に近い案件を優先的に提示してくれるサービスがその一例です。単価や距離だけでなく、直前の稼働実績なども加味してマッチング精度を上げていると説明しているサービスもあります。

ここで意識したいのは、AIが提示する案件を機械的に受けるだけでなく、自分の得意なエリア・時間帯のデータを蓄積させる姿勢です。稼働記録が増えるほどレコメンドの精度が上がる仕組みが多いため、最初の数週間は多少条件が合わなくても継続して使い、傾向を見極める期間と考えておくと運用しやすくなります。

小さく試すのがコツ

いきなり全ルートをAI任せにするのではなく、まずは1日のうち混雑しやすい午前中の配達だけ、あるいは初めて回るエリアだけに絞って試すと、精度や使い勝手を無理なく確認できます。

音声ナビ・到着予測系のAIをどう使うか

日常的に一番触れる機会が多いのは、カーナビアプリの到着時刻予測や音声案内でしょう。近年のナビアプリは、時間帯別の平均速度データや事故・工事情報を学習しており、単純な距離計算より現実に近い所要時間を出す傾向があります。

荷主への到着連絡や、次の集荷までの余裕時間を見積もる際にこの予測時刻を目安にしているドライバーもいます。ただし、軽配送特有の「路地への横付け」「エレベーターなし物件での運搬時間」「対面での受け渡しに時間がかかるケース」までは反映されないことが一般的です。ナビの予測時刻をそのまま伝えるのではなく、荷降ろしにかかる自分の実作業時間を上乗せして見積もる習慣をつけておくと、遅延の連絡を減らせます。

AI任せのルートを鵜呑みにしない

ルート最適化アプリが提案する道順は、必ずしも軽貨物車両の通行規制(高さ制限・重量制限・住宅街の進入禁止時間帯など)まで考慮しているとは限りません。土地勘のないエリアでは、提案ルートを一度地図上で目視確認してから走り出すと安全です。

導入コストと使い分けの考え方

ルート最適化アプリの多くは月額課金制で、案件件数や配達先の登録数に応じて料金が変わります。個人事業主で1台稼働の場合、無料プランや低価格プランで十分なケースも多く、複数台を管理する事業者になってから本格的なルート最適化ツールを導入する、という段階的な進め方も一つの考え方です。

ツールの種類主な用途向いている段階
到着予測ナビ日々の走行・渋滞回避開業直後から
ルート最適化アプリ多拠点の巡回順序計算配達先が10件を超える日が増えてきたら
配車マッチングAI案件と空き時間のマッチング稼働時間に波がある人・複数の委託先を持ちたい人

ツールの導入費用が負担になる場合は、開業資金の融資制度を活用して初期費用をまかなう選択肢もあります。日本政策金融公庫 新規開業資金 は軽配送を含む個人事業主の開業時に使われることが多い融資制度の一つです。

現場目線

🚚 現場から

(このコラムの現場コメントは編集部が追記予定です)

この先の一歩

ルート最適化やAI配車の話は、日々の走り方の土台となる基本的なルート設計の考え方とセットで理解しておくと効果が出やすくなります。手動でのルート設計のコツは 配達を早く終わらせる積み込み・ルート設計の基本 にまとめています。

また、効率化は最終的に収入にどう跳ね返るかが気になるところです。単価や稼働時間の考え方は 軽配送ドライバーの収入はどう決まるか|単価・稼働時間・経費の考え方 で整理しているので、あわせて読んでみてください。